黒猫
□黒猫
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「だからこれは…ていうか何で俺の名前…」
『貴方が寝てる間に私が何もしてないとでも思った?』
「…え?」
『知られたくない隠れ家にさ…わざわざ敵を招き入れると思う?』
見下ろす少女に冷や汗が流れる
『私がシャワー浴びてる間に帰らなかった退が悪いんだよ?せっかくチャンスあげたのにさ…』
少女は笑みを浮かべながら山崎に向かって手を伸ばした
「…くっ…!!」
だがいつまで経っても予想してた痛みは来ず、ゆっくりと目を開けた
少女は一段目の引き出しから着物を取り出すと山崎に背を向けスタスタと行ってしまった
「あ、あれ?」
暫くして戻って来た少女は黄色の着物を上品に着こなしていて
膝上ミニの着物じゃないからかもしれないが
ふんわりと笑う少女は黒猫の時の妖艶さはなく可愛らしいといった印象だ
こんなにも人は変わるものなのだろうか
中身まで違って見える
見入っていると少女の目が山崎を捕らえる
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