黒猫
□黒猫
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『盗みに入った店で、い…近藤さんの話を聞いて…それで居ても経っても居られなくて』
「どうして君はそこまでして俺なんかを…」
『私の事…忘れちゃったの?』
首を傾げ笑みを浮かべる
「近藤さん…黒猫に会った事あるんですかィ?」
「えっ?いや、う〜ん…」
首を捻って考える近藤の姿に鈴は小さく笑う
『貴方が忘れても、私はちゃんと覚えてるよ』
言いながら着物の帯の間に手を入れた
『借りた恩は必ず返すって言ったでしょ、勲。』
「「「いさお!?」」」
「ああー!そのバナナの絆創膏!!えっ…もしかして鈴ちゃんンンン!?」
近藤は鈴が持つ絆創膏を見て大声を出した
「鈴って確か、八百屋の娘と同じ名前でさァ」
「やっぱりお前か…」
「そういや山崎もさっき鈴って…」
「山崎テメェ、気付いてたんじゃねぇだろうなっ!」
「いやっ…!それは…」
『退は悪くないよ。私が言うなって脅してたの』
「鈴ちゃん…」
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