黒猫
□黒猫
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『貴方達が幕府に飼われてるように…私も飼われてるの』
心底驚いた表情の四人を気にする事なく鈴は続ける
『私は野良猫なんかじゃない。私には最初から…首輪が付いてるの』
そう話す鈴の顔はどこか悲しげに見えた
「お前――」
『私は夢を叶える為なら何だってする。もうすぐでその夢が叶うの…だから邪魔しないで』
土方の声を遮り言うと立ち上がって山崎を見た
『黙っててくれてありがとね、退。勲…バイバイ』
言うと同時に足で布団を蹴り上げ、土方と沖田に被せるとその上を飛び越えて鈴は外に出て行った
「あーあ、また逃げられちまいやしたねィ」
「………」
開けられた襖を見つめ土方は拳を握り締めた
「――おばあさぁん、鈴居る?」
「あらあら、いらっしゃい。鈴のお友達かい?」
「そうアル!」
「これ、鈴ちゃんの忘れ物です。…銀さんのせいなんですけどね」
「新八ィ、話蒸し返すのやめてくんない?」
「ついでにお昼ご飯誘いに来たネ!」
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