黒猫

□黒猫
3ページ/5ページ

「そうかい、ありがとねぇ。でも鈴は昨日から帰って来てなくてね…」


「えっ!?まじアルか、家出アルか?」


「深夜のファミレスで働いててね、きっと向こうの家で寝てるんじゃないかね」


「(深夜のファミレスねぇ…)え?向こうの家?」



「ああ。鈴の両親の家さ…居なくなってからも家賃を払い続けていてね…」



「どういう事ですか?」



新八の声に目を伏せて話出す



「鈴の両親…私のバカ息子は自営業をやっていてね、だけど経営がうまくいかず…店の為に金融会社からお金を借りたのさ」




それが悲劇の始まりだった


その会社は天人が経営してる会社で利息は地球の倍


到底払う事も出来ず、取り立てに怯えた父親は自分の両親の店…八百屋を担保にした


そして七年前のあの日、


鈴を家に残し母親と共に姿を消したのだ




「――私に任せておけば大丈夫って言ってね…それから天人は来なくなったけど…あの子はいつも眠そうに欠伸をするようになってね…」



涙ぐみながら語る




.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ