黒猫
□黒猫
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「そうかい、ありがとねぇ。でも鈴は昨日から帰って来てなくてね…」
「えっ!?まじアルか、家出アルか?」
「深夜のファミレスで働いててね、きっと向こうの家で寝てるんじゃないかね」
「(深夜のファミレスねぇ…)え?向こうの家?」
「ああ。鈴の両親の家さ…居なくなってからも家賃を払い続けていてね…」
「どういう事ですか?」
新八の声に目を伏せて話出す
「鈴の両親…私のバカ息子は自営業をやっていてね、だけど経営がうまくいかず…店の為に金融会社からお金を借りたのさ」
それが悲劇の始まりだった
その会社は天人が経営してる会社で利息は地球の倍
到底払う事も出来ず、取り立てに怯えた父親は自分の両親の店…八百屋を担保にした
そして七年前のあの日、
鈴を家に残し母親と共に姿を消したのだ
「――私に任せておけば大丈夫って言ってね…それから天人は来なくなったけど…あの子はいつも眠そうに欠伸をするようになってね…」
涙ぐみながら語る
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