黒猫
□黒猫
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両親に捨てられ…
残ったのは悲しみと絶望
そして借金だけだった
時が経つにつれ、悲しみは消え去ったけど怒りと憎しみが生まれた
意地でも生き抜いてやろうと思った
だから私は母親が嫌いな藍色の着物を着た
悪い奴らから盗んだ金で憎い両親が残した借金を返そうと決めた
その為なら私は――
「おかえり、鈴」
ただっ広い部屋の豪華な椅子に座る一人の男
「もっとこっちに来て可愛い顔を見せておくれ」
そう言うのはコガネ星の天人で、
ほとんどの者が狐の容姿をしているがこの男は目が細い意外、至って人間と変わらない
私に付いてる首輪の鎖はこの男が握っている
男の足元まで近付けば手を引かれ男の上に倒れるように座った
『…ッ…!!』
その拍子に肩の傷が痛み小さく声を漏らす
「ん?どうした、鈴」
『…肩を…ちょっと怪我して…』
「何っ!?」
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