黒猫
□黒猫
4ページ/5ページ
「お前はチビだし身軽だ…鬼兵隊でもきっと役に立つ」
『晋助だって…成人男性に比べたら小さ――』
「あァ?何か言ったかよ鈴…」
低い声と共に首に当たる冷たい感触
『いえ、ナンデモナイデス。』
目が怖いっ!
片目のくせに凄い威圧感
晋助はフッと笑うと刀を鞘に収めた
「――お前に初めて会った時、何かを感じたんだ」
『えっ?』
「目の奥に宿る“何か”にな…」
『私は別に…』
「この腐った世界を一緒にぶっ壊そうぜ」
『腐った世界…?』
そうだ――
この世界は腐ってる
天人が来てからおかしくなった
天人が来なければ父親だってお店を担保にする事もなかった
私がこんな思いをしなくて済んだ
でも壊すなんて…
いや、晋助なら出来る様な気がした
晋助と一緒に行けば――
.