黒猫
□黒猫
4ページ/5ページ
「ったく、何してんだよ」
「ごめんアル……」
しょんぼりする神楽に慌てて口を開く
『あ、違うの!肩、怪我してて…ホラッ』
「ぅわぁぁ…!!」
着物から肩を出して見せれば新八が顔を真っ赤にしてソファから落ちた
「これだから童貞は…」
「きもいアル。しばらく私に近付かないで」
いつもなら激しくツッコミを入れる新八だが、今はそれどころではない
顔を真っ赤にさせたのは鈴の肩を見たせいもあるが、
一番の原因は髪の間から見えた首筋に残る紅い痕
「鈴ちゃん!そそそそソレはっ…!!」
『なに?』
自分を指差す新八に首を傾げた
「それっ…キ、キスマークじゃッ…!」
『!?』
「――キスマークって何アルか?」
『もしかしてコレの事?これは蚊に刺されたの。デッカイ蚊にね、もう痒くて死にそう』
心情を顔に出さないように明るい声で言った
「な、何だぁビックリしました…」
新八は体を起こすとソファに座り直した
.