黒猫
□黒猫
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「――鈴…大丈夫アルか?」
隣で聞こえた珍しく弱気な神楽の声
「銀さんに任せておけば大丈夫だよ!」
ここで僕まで暗くなっちゃいけない…そう思い明るく振る舞った
「また襲ったりしないアルか?」
「銀さんは泣いてる女の子に手ェ出すほど落ちぶれてないよ!」
「男は女の涙に弱いネ」
「銀さんに…任せておけば……」
すっごく不安だ――
腕の中で眠る少女に銀時は小さく笑みを浮かべた
「ガキ扱いすんなって…泣き疲れて寝ちまうなんてガキじゃねェかよ」
涙を拭う銀時の視線は鈴の首筋にある紅い痕
「…これが蚊に刺されの痕かっつーの」
――――――――
――――――
『――はっ…!私ってば、いつの間に寝ちゃって…』
これじゃあガキだって言われても言い返せない
『って…何で銀さんまで寝てるの…』
目の前にあるフワフワの頭
手を伸ばして…触れる直後でその手をとめる
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