黒猫

□黒猫
4ページ/5ページ

『――ねぇ銀さん。泣いて…その時はスッキリするけど、現実は何も変わらないんだよ…』




泣いたって変わらない


私の道は変わらない



それでも――




気付いた事がある




私は今まで自分の力でやって来た




『銀さんは、お金を払えば何でもしてくれる便利屋だけど…助けてなんて、言いたくないの』




立ち上がって玄関に向かう




『ありがと銀さん……さよなら』




ソファの背もたれに銀髪頭を乗せて眠る銀時を見つめた






「――万事屋だって言ってんだろ」




銀時の呟いた声は



閉まる扉の音に掻き消された



―――――――
―――――





土手に座り川を眺める




吹き抜ける風に混じって独特の匂いが鼻を霞めた




『――人の背後に立たないでよ』





「えらく不機嫌だな…」




ククッと笑いながら隣に立つ笠を被る男




.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ