黒猫
□黒猫
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鈴が姿を消してから二週間以上が経った
「チッ…うるせェな…」
ドタバタと聞こえた足音に舌打ちをしながらアイマスクを外すと体を起こした
「――鈴ちゃんがッ…」
襖を開け発した山崎の言葉に部屋に居た近藤と土方が同時に見る
「ザキっ!鈴ちゃんの事何か分かったのか!?」
「はいっ!隠れ家に使っていた部屋の契約者が判明しまして…その男を調べた所、大変な事が分かりましたっ!」
土方は眉間に皺を寄せた
「その男は七年前、借金を残して姿を消したらしいんです!」
「七年前って…たしか鈴ちゃんの両親が亡くなった年じゃなかったっけ!?」
――親なんて居ないっ!
あの時鈴が言った言葉が頭をよぎる
そしてアイツが泥棒をやってる理由と16になるまでに払えなかったら…なんて馬鹿な話を聞いた
「待て山崎、アイツは確か16のはずじゃあ…」
「いえ、鈴ちゃんは今現在15だそうです」
「(…嘘付きやがったな)」
土方は拳を握り締める
「――で、鈴の誕生日はいつなんでィ?」
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