黒猫
□黒猫
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そう言って笑う勲は太陽みたいで
私の胸はすぐに暖かくなる
恥ずかしくて言えない言葉も――
『私さ、勲に従うなら……全然苦じゃないよ』
サラッと言えるんだ
「鈴ちゃん…!勲、嬉しいよ…」
『鈴も嬉しい…!』
「鈴ちゃんッ!!」
『勲!……って、何で抱擁の邪魔するの』
私の頭を押さえつける土方さんを睨む
「鼻水付いてもいいのか?」
『………』
「あれ?鈴ちゃん?勲の胸に飛び込んでおいでー?」
ごめんなさい…勲、
勲の事は大好きだけど
鼻水までは好きになれない
鼻水まで愛せない私を
どうか許して下さい…
「鈴ちゃん…何で泣いてるの?」
『そっとして置いて…退』
「――いやぁそれにしても凄く似合ってるよ!うんっ可愛い可愛い!」
『ホント?嬉しい…っ』
近藤の言葉に鈴は嬉しそうに微笑んだ
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