黒猫
□黒猫
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「鈴ー!迎えに来たぞォ」
屯所に響いた銀さんの声
『はぁーい』
大きく返事をして玄関に向かおうとした私の足が止まった
『ぎゃっ…土方さん!』
「ぎゃ、じゃねェよ。お前勤務中に堂々とサボりか?」
『サボりじゃないですぅ!銀さんが待ってるんで放して下さいィィ』
そう言って腕をブンブン振っても土方さんは放してくれずさらに力が増した
『イタタタッ…ちょ、もげる!腕もげる!』
「何だどうした?」
『近藤さん助けて!』
「どうしたもこうしたもねェよ、コイツがサボろうとして…」
「え?鈴ちゃんは今日非番にしたんだよトシ」
「あァ?非番?」
『そーだぞトシ。まったくおっちょこちょいなんだから』
「お前にトシとか言われたくないんだけどォォォォ!!」
「おいおい。いつまで銀さん待たせるつもり?」
『あ、銀さん!ごめん…っ』
いつまで経っても来ない鈴に痺れを切らしてやって来た銀時
途端土方の目が鋭くなった
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