眠り姫の夢
□月の下で
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この顔色のせいで人から病的に見られるけど
いつだって私は絶好調なんですよね
それをゲンマさんやライドウさんに話せば「損だな」なんて言われるけど
案外そうじゃなかったりもするんですよね…
「――名無しさん。家まで送って行ってあげますよ」
そう声をかければ
キョトンとした顔で振り返る名無しさん
今日も可愛いですね…
『お断りします』
眉を寄せニコリともせずに言った名無しさん
「……ゴホッ…じゃあ家まで送って行ってもらえませんか?なんだか急に気分が…」
咳をしながら苦しげに見つめれば
『しょうがないなぁ』
呆れた顔をしながらも
名無しさんは私の家へと進行方向を変えてくれた
ほら、損じゃないでしょ?
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