眠り姫の夢

□俺の左手
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「なぁ名無しさん」



後ろから呼びかければ



ビクッと肩を揺らしたがその表情を俺に向ける事はなかった





『な、何?サスケ…っ』





そして聞こえた声も



どこか不自然さを感じた









名無しさんは木ノ葉の忍だ



三年前…



全ての想いを断ち切って里を抜けようとしていたあの日――




『サスケ…?こんな夜中に何処行くの?あ、分かった。私と一緒で散歩でしょ?』




無邪気に笑う表情に



断ち切ろうとしていた名無しさんへの想いが一瞬揺れ動いた




そして名無しさんを連れて来てしまった




あの時の俺はガキで


自分のワガママだけで


名無しさんを抜け忍にさせてしまった




名無しさんは何も言わずついて来てくれて


ただ俺の側で笑っていてくれた




だけど最近


名無しさんの様子がおかしい




もしかしたらあの夜…



掴んだ俺の手を拒めずについて来てしまった事を




後悔しているのかもしれない




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