黒猫
□黒猫
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「鎌切様!集めた金が一銭もありませんッ」
「何だとッ!」
静寂の中ドタドタと慌ただしい足音が響き渡る
――ガタン!
戸を開けると物が散乱してはいるがいつもの場所に金庫はあった
「何だ…あるじゃないか、驚かしおって」
「いえッ!中身がゴッソリと持ち去られて――」
最後まで聞かず金庫の前まで来ると壊された鍵が目に入った
「っ!?」
金庫には当たり前だが鍵が掛けられている
でも違うのはその辺で売られている物ではなく、天人から買った特殊な鍵だという事だ
それなのに目の前にある金庫の鍵は見事に壊されている
「警察にッ…!」
「――駄目だッ!そんな事したらそれこそ終わりだ…」
「いったい誰が…」
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