黒猫

□黒猫
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かぶき町のとある大きな建物



その横に並ぶ小さな建物を見上げる




此処は昼間は普通の宿屋として営業しているが夜になると天人の出入りが多い




天人の集まる場所すなわち怪しい金あり――




建物を見上げ侵入出来そうな場所を探す


そして見つけた三階の開いてる小窓



隣の建物の非常階段を登ると小窓に向かって飛び移った



『侵入成功っと。』


宿屋の中に入った鈴は足音もなく静かに歩く



「…例の……しました…」


「…では……」


『(ん?)』



話し声がする部屋の前に立つと襖に耳をあてた



「…金は確かに」


「怪しまれておらぬだろうな?」


「あいつら馬鹿だから大丈夫です」


「なら良い。さぁ今宵は楽しもうではないか」


『(ビンゴ!…早く飲んで潰れちゃえっ!)』



そう思っていると曲がり角からこちらに向かって来る足音が聞こえた



今居る場所は広い渡り廊下になっていて身を隠せる物は何もない



『ヤバッ…!!』



とっさに反対側の部屋に逃げ込んだ




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