黒猫
□黒猫
1ページ/5ページ
鈴はかぶき町の公園のベンチに座っていた
この広いかぶき町で一人の男を探すのは困難で
そこで男の住んでる家を聞こうと思ったのだが、
神楽の家も新八の家も知らなかったのだ
『私ってドジなのかな?』
溜め息を漏らしつつ、
――ここいらの公園はかぶき町の女王神楽の物アル!
そう言っていたのを思い出し、いつもより早く八百屋を閉めこの公園にやって来たのだ
『来ないなぁ神楽……』
もちろん来る確証はないが、他にいい案が思いつかないのでこうしてベンチに座っている
ただ鈴は暖かいお日様のせいで強烈な眠気に襲われていた
薄れゆく意識の中――
「ハァァ…どこかに大金でも転がってないかなァ」
そんなオジさんの声が聞こえて来た
『(そんな事言ってないで仕事しなよ、仕事)』
.