君に続く道A

□第30話 傷痕
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木の葉の里は至る所に襲撃の傷痕があって…



それでもみんな笑顔で壊れた里の修理にあたっていた





ヤブが死んでから




他人の為に何かをしたいなんて思った事なかったのに



里のみんなを見てたら自然と自分も何か役に立ちたい…そう思った




コジロウと水面歩行の修行をした川の傍で凛はそんな事を考えながら





手入れしたばかりの刀を汚したくなくて鞘に収めたまま刀を振っていた



“もっと強くなりたい”




そんな心情が現れ


強く振り上げた刀から鞘だけが吹っ飛んだ




『あっ!』




勢い良く目の前の木に当たり鈍い音を鳴らして地面に落ちる



慌てて近付くと鞘を取った手が固まった





『わっ…割れたー!鞘が割れ…っ』




震える凛の手の中にある鞘は


下の方が割れずれてしまっていた




あまりのショックにその場に座り込み肩を落とす




『刀は手入れ出来ても鞘は手入れしないもんね…』





それにこの刀はヤブが使っていたものだ




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