君に続く道A
□第32話 絶望への道
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凛は目の前の人物を複雑な表情で見つめていた
真夜中に自分の部屋に現れた
カブトに対して――…
『会いに来たって…どういう事?』
暫く見つめやっとそう声を発した
カブトは穏やかな表情を向けたままゆっくりとその口を開く
「病室で会って以来…ゆっくり話す機会なかったからね」
『…ッ!』
そう…久しぶりの再会はサスケの病室の中だった
だけどあの時とは違う感情を抱いたままカブトに視線を向ける
窓際に立つ私は逃げ出そうと思えば出来るはずなのに…
そうしないのは他の誰でもない
自分の目で、自分の耳でカブ兄の事を知りたいから…
「僕と暮らしてた時の記憶あるんだね…短い時間だったのにさ」
その言葉に凛は目を見開いてから
笑みを浮かべた
『覚えてるよ…。だって…私はカブ兄の事、本当のお兄ちゃんのように思ってたんだから…』
「…ッ……」
カブトは一瞬表情を変えた
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