君に続く道A
□第34話 帰る場所
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朝日の眩しさを感じながら
天井を眺めていた凛はガバッと飛び起きる
『嵐と流起こさな…――』
そう口に出して思考が止まった
私はカブ兄と二人暮らしで…
そんな名前の人物は知らない
だけど今頭の中に浮かんでいた男の子達には見覚えがあった
あれはカブ兄と木ノ葉の里に薬草を取りに行った時に出会った少年二人
あの時初めて会ったはずなのにどうしてだろう…
ずっと前から知ってるような気がする
病室で会った忍達も
商店街で声をかけて来た人達も
考えれば考えるほど胸の奥が高鳴っていく
そしてどうしても忘れられないのは…
『カカシ…先生…』
あの人の哀しげな表情
目を瞑ると…
――私の居場所なんて何処にもない
――ないなら作ればいい
した事のない会話が頭の中に響いて来る
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