君に続く道A

□第37話 紅い誘惑
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『じゃあ行ってくるね』



「あっ、凛!」



立ち上がればすぐに嵐が呼び止める




『なに?おかわりならないよ』



眉を寄せそっけなく言った



「ちげーよ。今日もカカシ先生の見舞い行くのか?」


『そうだけど…嵐も一緒に行く?』


「…っ」



凛からの誘いに“行く”と即答出来ない嵐




『…?』




険しい顔で口籠る嵐を不思議そうに見つめれば




「――心配なんだよ。この間凛、襲われただろ?だから」




嵐の代わりに口を開いた流




暫く二人を見つめてから



腰の刀を少し引き親指を押し宛てる




『――口寄せの術!』




そう言ってテーブルに手を付けば




「ジャジャーン!おっ、朝飯ごちそうしてくれんのか!?」




現れたコジロウはテーブルを見渡した




「ざけんな!これは凛が作ってくれた親子丼だぞ!人間の食いモンなんだよ」




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