君に続く道A
□第38話 迷いの先
1ページ/16ページ
――俺と来ないか?
静まり返る洞窟内
凛はイタチを見たまま固まっていた
だけどすぐに我に返って
『誰が暁なんかに…!』
そう声を発する
「別に暁に入れとは言っていない」
言葉が理解出来ず
イタチを見つめる
「我が組織は二人一組で行動している。その間、俺達のサポートをして欲しい」
『………』
「キミの、その医療の力で」
目を伏せる凛にイタチは付け足して言った
私は今まで何の為に生まれて来たのか分からなかった
生きていく理由が分からなかった
人から必要とされた事が一度もなくて
だから自分が必要だと言われた事が嬉しかった
誰でもいいから言って欲しかったのかもしれない
たとえ、それが悪だとしても
『……っ…』
無意識の内に拳をギュッと握り締めた
.