君に続く道A
□第39話 交差する想い
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「集中ー!!!」
木々に囲まれたひと気のない場所に響くナルトの声
そこから肉眼で見える距離の木の上で
揺れる栗色の髪
『……ナルト…っ』
凛がナルトを見つけたのはイタチと別れてから二日後の事
この歓楽街で綱手様の情報を探り
ナルトはどうやらその間修行をつけてもらっているようだ
ただひたすら白いゴムボールにチャクラを流し込む姿を凛は表情を変えず見ていた
『(ナルトの居場所をイタチさんに…)』
そう考えて脳裏に浮かんだ言葉
――ナルト君を見つけて連れて来てくれ
イタチさんはナルトの居場所ではなく
ナルト自身を要求している
昼間、自来也様が情報を聞き回っている間ナルトは一人
連れ去るチャンスはいくらでもあるのに――
「ダメだっ…もっと集中しないと…!」
必死に修行するナルトの姿を見てると
どうしても体が動かない
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