向日葵日和

□向日葵日和
1ページ/11ページ





「――驚いたわ。犲の新人があの杏だなんて」




佐々木の口ぶりに全くついていけてない他三名




「紀子さん。知り合いなんですか?」




武田が恐る恐る聞く




「えぇ。まだ犲結成前の話よ。道場に遊びに来てた近所の子で…よく一緒に稽古してたの」



「俺達は犲が出来てから入ったからな。知らない訳だ」




腕を組んで納得する鷹峯に



佐々木は懐かしそうに表情を緩める





「しょっちゅう大蛇討伐隊に入りたいって云ってね。けど師範に断られて…」


「どうしたんですか?」


「強くなるって啖呵切ってそのまま一人旅に出ちゃったのよ」


「随分肝の据わった子供だな…親は止めなかったのか?」



鷹峯の疑問に蒼世以外の視線が杏に集まって



気付いた杏は口を開く





『私の両親は幼い時に死んじゃってね。親戚の家に引き取られたんだけど…自由奔放に育ててくれたっていうか、可愛い子には旅を〜て諺をその通りにしてくれたっていうか』



淡々と語る杏に



誰もが思った





“親の顔が見てみたい”と




.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ