向日葵日和
□向日葵日和
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自分に起きてる状況を懸命に考える
さっき穏やかな笑みを浮かべてた白子さんが
目の前に居る
一瞬送ってくれるのかな…とも思ったけど
それならこんな人目につかない所に連れて来ないはず
はりつめた空気と
射るような紫色の瞳
さっきの優しげな雰囲気とは違う
まるで初めて会った時のような――…
あの時の殺気を思い出し
無意識に後ずさった足
「着物」
『…え?』
「脱いでよ、着物」
『………』
瞬きを繰り返し
云われた言葉を頭の中で復唱する
着物を…脱ぐ…?
とても冗談には聞こえなかった口調
まして白子さんの眼差しは真剣そのもの
紫眼の瞳は
まっすぐ私を見つめていた
『……え…え!?そんな、さっき初めて会ったのにっ…そんな大胆な事ッ…』
脳内パニックになり思わず自分の身体を抱き締める
「あぁ…云い方が悪かったね。腕見せて」
そう云い直した白子さんにピタリと固まる
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