向日葵日和
□向日葵日和
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深く覆い茂る森の中――…
「宙太郎…何してんだ?」
地面にしゃがみ込みコツコツ石をぶつける弟に聞く
「火ぃ付けるっス」
返ってきた楽しげな声
「ざけんな!放火魔になる気か!」
「ちょっとだけっス。炙り出すんスよ。罪人なら少しくらい燃えても…」
「その危険思想やめろ!」
本気で火を付け兼ねない宙太郎の手から石を奪う
「だいたいこの辺に居るかも分からねぇのに…」
呟いて辺りを見渡した時
――ガサッ
草の揺れる音と横切る人影
「そこの男待ちやがれ!」
止まる事なく走り去る男の背中を追っていると
「逃げるって事はアイツが罪人っスね」
すぐに真横を付いて走る宙太郎
「…相変わらず足だけは速いな」
「オイラに任せるっス!」
スピードを上げ前に回り込んで挟み撃ちする
「ちっ…」
男は逃げるのをやめ
持っていた刀を引き抜いた
「お前ら知ってるぞ…曇神社の三兄弟やろ。監獄への案内人」
「…お前は逃走中の罪人だな。さっさと案内してやるぜ」
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