向日葵日和
□向日葵日和
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『――あ、あんな所に居た』
道場の入り口に寄り掛かる
探してた人物
嘉神直人での一件で自主的に行っているのか
肩に掛けたタオルで汗を拭く姿に歩み寄る
すると近付く足音に気付いたその人物…
武田はすぐに視線を逸らした
「なんだよ…霜月も俺が馬鹿な事したって思ってんだろ」
若干ふてくされた声
『別に。天火の事嫌いだから、ざまあみろって感じ』
「……え?」
顔を向けた武田の頬に湿布を貼る
それは鷹峯さんに殴られた場所
『ボロ負けしたんでしょ?大丈夫?』
「そんなやわじゃない!」
声を荒げて反論する武田は
脇腹を押さえる
杏はチラリと目線を落としてシャツに手をかけた
「何すっ…//」
武田の声を無視して捲り上げれば
その場所は時間が経って紫色に変色した大きな痣が出来ていた
『天火、強かった?』
「……っ…」
口籠るその顔に
小さく微笑む
『大丈夫ならいいけど…一応医務室行ったら?』
はい、ともう一枚湿布を手渡す
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