君に続く道A
□第33話 消された記憶
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「――そんなに急いでどうしたのよ?」
「はたけ…カカシ…」
一瞬嫌な顔をしながらも
凛を助けてくれた事のあるカカシに複雑な表情を浮かべる
「凛を探してたんです」
カカシは振り返って緑色の髪の少年を見つめた
「探してるって…どういう事?」
「昨日の朝から居ねーんだ…ずっと探してるけど見つかんねぇ…」
苦しそうな声を出す嵐を
カカシは黙って見つめた
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―――――――
「――どう?パックン」
部屋の中をクンクンと嗅ぎ回る忍犬を三人は見守る
「んっ!これはっ…」
「何か分かったのか!?」
嵐がパックンに詰め寄った
「フルーティで、でもどこかお日様のような温かい匂い…まるで花畑と草原を行ったり来たりしているようだ」
「は…花畑と草原…」
嵐は目を瞑って想像を膨らませる
「凄い妄想力ですね…」
「感性豊かと言ってちょうだい」
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