向日葵日和
□向日葵日和
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「――分かった。私、世の中に出ていっぱい勉強してくる!それでもっと大きくなって戻って来たら、私も討伐隊に入れてくれる?」
「あぁ。約束だ――…」
映る景色が
何もかもキラキラと輝いてみえた
―――――――――
―――――――
『え…?今なんて云ったの…』
「だからね、死んだんだよ…半年前に――」
明るい未来が
一瞬にして崩れ去った
「云おうにも連絡のしようがなくて…今まで何処で何してたんだ」
『何処って…』
強くなるまで会わない
願掛けのように
それだけを支えに生きてきた
“頑張ったな、杏――”
あの優しい眼差しでそう云ってくれる彼を
ずっと想い描いてた
「――ちょっと地方に仕事が出来てな。一緒に行くか?」
『えー何処ですか?』
「滋賀の大津だよ」
『そこ、私の生まれ故郷です!』
まだ胸を張って帰れない
だけどせめて一目遠くからでも彼に会いたい…
そんな私の
微かな願いだった
「曇家の兄弟も大変でね…」
『――!?』
「あ、杏ッ」
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