甘い甘いクリームは君の味。02
痛い。
だが、痛いだけでなくその下には《気持ちいい》が隠れている。
俺は決してマゾじゃない。
だが、南野にそういうふうに馴らされたんだ、と往生際悪く考えられたのは一番太い部分が入ってくる前までだ。
つまり一瞬。
そのあとはあまりの圧迫感と、痛みと、快感と、何もかもで頭が真っ白になる。
座ったままで挿入された為に普段寝具で行っている時よりも深い場所まで南野が入り込んでくる。
酸欠のように口をパクパク動かし、なんとか呼吸をして頭を働かそうと身体が本能で動く。
「まだ解し足りなかったかなー。でも、なーちゃんなら大丈夫だよねー?」
何の根拠もない断言をすると、気を使ったのか性急な動きはしてこない。
アナが馴染むのを待っている。
「はっはっはっ、ン…はぁ・・・・うあぁ!?」
息がまともにできるようになったのを確認すると、下から突き上げるように動き出した。
いつものような細かい動きで翻弄される事はないが、この体勢だと一回一回の突き上げで受ける南鷹のダメージが大きい。
ただでさえ先ほどから起ちっぱなしの前がカウパー液を流し続け、本当に限界だと訴えている。
射精したい一心で乳首を苛まれていた時よりも必死にイかせてくれるよう哀願する。
いつもなら、泣きながら頼めば多少時間の差があるが最終的には頼みを聞いてくれる。
なのに今日の南野は一向に触ってくれない。
射精したいのを我慢して、痛いのを我慢して、気持ちいいのを我慢して、我慢して我慢して我慢して、我慢したらとうとう限界になり我慢できなくなった。
つまり、射精したくてたまらなかった南鷹は、出さずにイってしまった。
いわゆる、ドライオーガズムに達したのだ。
「わー出さずにイッタの?体がビクンッビクンッってなってるー」
子どもが珍しいものを見つけた時のような、キラキラした眼差しをイッタにもかかわらず今だ起っているモノに向けて楽しそうな声をあげる南野に、余裕など欠片も残っていない南鷹は矜持で押さえていた涙を流してしまった。
そんなどう見てもギリギリの南鷹に、南野は温情など与えてはくれない。
「ねーねー、なーちゃん。面白かったからもっかいやってー?」
幼児が抱っこをせがむ様な言い方だが、滅相もない。
もしや俺はコイツに嫌われているのか、と南鷹には思えてならない。
しかし南野は決して悪気が無い。
これだって本当に無邪気なお願いなのだ。
だがしかし!邪気が無かろうが言ってることは鬼畜極まりない。
などとのんきに考えている間もなく南野は再び容赦なく突き上げ始めた。
「ヒッ!の、のーの……無理ぃっこ、れ・・・ん゛ん!…あ、はぁあっ!もお願!…イ゛ィ!!」
無理だと何度も息も絶え絶えに叫んでいるにもかかわらず、南野はのんきに「また空イキだー」と楽しんでいる。
解放されることのない熱が内へ溜まっていく。
その熱に感じてさらに快感がかきたてられ、イケない苦しみで熱量が上がるという悪循環をし続ける。
「くっん、あぁ!!……は、はぁはぁ……も、おねっが・・・・」
「まだイケるイケるー」
酸欠で頭がクラクラして失神してしまいそうになっているが、まだ南野は解放してくれそうにない。
とうとう南鷹は我慢できなくなり、先ほどまで自慰をするという考えが浮かばなかった頭がやっと自分で扱く事を思い出す。
ではさっそく、と我ながら可哀そうなくらい起ち上がったソレに南野に見つからないよう手を伸ばす。
ほんの数回扱けばすぐにあの解放感を得られるだろう。
だが、色々限界な南鷹とまだまだ元気な南野では始めから勝負にならなかった。
「あー、いけないんだー。なーちゃんが約束破ったー」
あとちょっとというところを狙って南野は南鷹の手を掴んで耳元で歌うように節をつけて言う。
息が耳に当たって無意識に身体が跳ねる。
約束・・・・そういえば以前自慰を勝手にしちゃダメだよ〜とか何とか言われたような言われていないような?
呆けた頭では思い出せないが、南野が約束を破ったというのだから言われたのか?
「あ、あ、南野・・・お願いだ、からは…ぁ。触ら、て・・・出させ…」
そんな約束があったとしても、今はそれどころではない。
「んーーー。ダーメー。悪い子ななーちゃんは、こうしてやるー」
そう言って南野は俺の見えないところで腕を後ろ手に拘束した。
これでは、どうやっても自分ではイクことができない。
本当に頼れるのは南野だけになってしまった。
「あ、ごめ・・・のーの。もぅ約そ、く破んねーからぁ・・・・」
「んふふー」
最悪だ。
もうこうなってしまっては俺が何を言おうと、何をしようと南野が満足しない限り俺に解放はやって来ない。
ピンポーン。
ありきたりな、来客を告げるチャイムが聞こえる。
腕を拘束され、逃げ場のなくなった南鷹はさらに何度も空イキさせられているまっ最中だ。
「ん〜?誰か来たねー。なーちゃん誰かと約束してた?」
南野が聞いてくるが、今の南鷹には答えられない。
南鷹から答えが得られないと分ると、なんと南野は扉に向かって「どうぞー」と叫んだ。
大きな声で多少覚醒した南鷹は玄関の戸が開き「おじゃましまーす」という聞き覚えのある声に息を詰める。
それは南鷹の後輩である北田(きだ)と北辺(ほくべ)の声だ。
「ちょ、南野!!何して!?」
まさかの状況に呆けていた南鷹も完全に覚醒する。
「だってなーちゃんが答えてくれないからー」
「先ぱーい。借りてたCD返しに来まし、た・・・」
「何止まってんだよ北、田・・・」
後輩たちの言葉は、自分たちの先輩の状況を見て止まらざるをえなかった。
どう見てもまっ最中の先輩たちに、固まる後輩たち。
誰も何も言わない。
「2人ともごめんねー。今なーちゃん両手がふさがってるから代りにCD預かるよー」
マイペースな南野を除いて。
「あ、はい」
普段通りに話しかけられ、北田は反射的に持っていた借り物のCDを南野へ渡す。
それで実質2人の用事はなくなった。
「おっ前ら、もう用ねぇなら帰…れ!・・っっっ!!」
「もーせっかく来てくれた2人に失礼ーでしょー?ごめんねー」
後輩に見られているという羞恥で真っ赤になりながら、早く帰れと叫ぶ南鷹。
だが、何を考えているのか南野は再び突き上げ始めながらのんきに後輩たちに話しかけている。
「え、は…い、え?」
顔を赤くしながらキャパが越えるのを抑えるため目をそらす北辺と、同じく顔を赤くしながら後輩の前で声を上げまいと耐える南鷹を凝視する北田。
尊敬する先輩の、後ろのアナに男のモノをくわえて快感に解けた妖艶な表情をしているイヤラシイ姿に2人は魅入る。
南鷹の方も、後輩に見られているという羞恥にいっそう身体の熱が上がり、感じまいとしても快感を得てしまうさもしい身体に涙が浮かぶ。
そんな三者三様の姿を眺めつつ、南鷹を弄る手はそのまま動いていた南野が明るい声を上げた。
「なーちゃんイキたかったんでしょ〜?なら、2人にやってもらいなよー」
「「えぇ!?」」
「はい!!」
然も名案とでもいうように南鷹の顔を覗き込みながら南野が放った言葉に、南鷹だけでなく北辺も驚きの声を上げる。
唯一北田だけは意気揚々と元気の良い返事をし、さらに子どものように手を上げている。
「北田はやる気いっぱいだねー。なーちゃん今ギリギリだから、北田の気が済むまで出ないように握ってなねー」
「せ、先輩の・・・・はぁ……」
2人だけの会話に、南鷹はめまいがしてきそうな呆れに襲われる。
だが北田が南鷹のモノの根元を握って舌で鈴口をチロッと舐めると、やっと待ち望んだ快感に頭が真っ白になった。
「ん゛んー!?!……き、だ・・・・まっ!ひぅんっ!!……あ、放…せっえ!」
浅慮がちな愛撫だった始めの方では我慢ができた嬌声も、タガが外れてしまった北田が南鷹の弱いところを強引に舐め出すと我慢ができなくなり、イキたいという感情に流されてしまいそうになる。
しかし、相手は後輩。
後輩に舐められ、さらにイカせてくれなどと恥ずかしいことは先輩として絶対に言えない。
「ず・・・ずるいです!!」
先ほどまで真っ赤な顔をして、三人から目をそむけていた北辺が突然叫んだかと思うと、しゃがみ込み北田が舐めている南鷹のモノを横から舐めだした。
「あ、な………うっそ!ぅんぐっっっ!!2人ってぇ!?くぅっ…や、止め、無理、だぁ」
二枚の舌に挟まれて苛まれる行き過ぎた快感に、子どもが嫌々をするように首をしきりに振ることでやり過ごそうとする。
だがそんな南鷹のことなどお構いなしにカリや裏筋、鈴口などを容赦なく舌と口で味わう後輩2人は憧れの先輩の切羽詰まった状況など意に介さず口淫に夢中になる。
一心不乱に淫行に耽る後輩と、それに乱される自分の恋人の姿をクスクス笑いながら眺める南野は楽しそうで、ときどき腰を揺さぶり耐えている南鷹の心を撹(かく)乱する。
「うふふーなーちゃん気持ちよさそー。北田も北辺もふにゃふにゃになってるー。なーちゃんの、舐めるの、気持ちいい?」
自分の恋人のモノを舐めている後輩に笑顔を向け、ゆっくりと口を放させる。
名残惜しそうに舌を伸ばす2人に待つように命じ、さらに南鷹の足を広げて見せる。
「あ、あ、あ、南野!ヤァ・・・・も…マジで限界ぃぃ………」
首をひねって後ろにある南野に少しでも近づき甘えたような声を出す。
さんざんされた焦らしと、後輩に口淫されるという羞恥で理性が焼き切れてしまったようで、晒すように開かれた足にも抵抗はしない。
「そーいえばー、たしか俺お詫びしてたんだったねー。シュークリームのー。ねぇ、なーちゃん?イキたい?」
「んっ!んっ!んっ!」
ふやけた状態で“イク”という単語だけは聞き取れた南鷹は兎に角首を強く振る。
そんな南鷹に満足そうにし、今だモノ欲しそうにこちらを見ている北田と北辺にも尋ねる。
「なーちゃんの、舐めたい?」
こちらも肯定の意を示す。
「おいでー。でも、舐めちゃダメだよー」
許しをもらい、2人は先ほどまで舐めていたモノに顔を近づける。
2人の息があたって南鷹の身体が反応する。
三人の従順な姿に目を細めると、南野は律動を再開し南鷹のモノを愛撫し始めた。
今までの焦らすようなモノではなく、明らかにイカせることを目的とした動きに南鷹も素直に溺れる。
「あっあっあっ!!のー、の!も…出る。出る!あ、ん!出させ、てぇ!!」
「良いよーなーちゃん、出して」
自分が出すタイミングと合わせて南鷹にも射精を促す。
「ヒッ!んん゛ん゛っっっっっっっ!!!」
長く止められていた精は、通常よりも長い時間をかけて吐き出される。
そしてそれは、南野に掴まれており鈴口は近くに顔を寄せていた後輩たちの顔面に放たれた。
顔射された2人は呆けた顔を南鷹の出したモノで白くし、軽く痙攣している。
良く見れば2人とも手が股間にのびている。
2人はなんと、南鷹にかけられただけでイってしまったようだ。
気持ちの良さそうな犬の甘えた声を出しながら2人はまた南鷹のモノに熱い視線を送っている。
「しょうがないねー。だって、なーちゃんのは甘い甘い味がするんだからー」
南野の言葉は溶け切った三人には理解できず、再び性交を再開した南野に揺さぶられ、云われるまま目の前の御馳走にしゃぶりつく。
〜END
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