Arcifanfano

□ACT.1〜暴行と傷ついた心〜
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切原赤也side


幸「じゃあ赤也、彼が起きたら呼んでね」
切「了解ッス!」

 部長はそう言うと部屋を出ていき、俺の部屋にはさっきの奴…沢田綱吉と二人きりになった(名前は制服の中にあった生徒手帳から)
 先輩達は、下のリビングで寛いでいると思う
 沢田は既にタオルで体を拭い、服も替えておいた状態で俺のベットに寝かせておいた


切「…綺麗な髪だな…」

 ふわ…と、汚れの落ちたハニーブラウンの髪を撫でる
 うわっ!柔らかい!!
 重力に逆らった髪は一見硬そうに見えるけど、実際触ってみるとふわふわで、すっげぇ気持ち良い


綱「…ん…ぅ?」
切「!!…起きたか?」

 ベットの側に座って、顔を覗き込む
 ゆっくりと瞼が上がり、そこから覗く大きな瞳に暫く呆然としていると、沢田は勢いよく体を起こした
 が、勢いをつけすぎたのか、体がふらつき、倒れそうになったから支えようと手を伸ばす

綱「ッ!!?イヤァァアアア!!!」
 バシッ
切「なっ!?」

 手を払われた事に対する怒りよりも、驚きの方が強かった
 沢田は自分の体を守るように腕を回し、ガタガタと震えていた
 更に爪が腕に食い込み、精血が流れている


切「な、何やってんだよ!」

 咄嗟に沢田の両手を掴み、腕から離す
 すると、だんだんと目を見開き、その瞳に涙が溜まっていった


綱「ひっ…ご、めんなさ…ごめんな、さいご…めんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」
切「ちょっどうし…あー…部長!ちょっと来て下さい!!」

 いきなり謝りだした沢田に戸惑いながらも、部長を呼んだ
 部長なら、何とかしてくれると思ったから




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