番外編
□優しく弱い君
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侑「俺、ツナがマフィアになったら専属医になったろ思うててんけど、出来れば一生ツナの治療だけはしとぅなかったわ」
綱「…ごめんね、侑兄」
侑「ツナが謝る事とちゃうやろ?」
使い終わった救急箱の蓋を閉じ、ツナの頭を撫でる
侑「なぁツナ。頼むから、無理だけはせんといてな?」
綱「…うん」
侑「ツナがおらんなったら俺、アイツらに何するか分からん」
そう言うと閉じていた目をうっすらと開けて、困ったように笑う
その笑顔すら儚くて。今にも消えてしまいそうで
ツナを引き止めるように、傷に響かんよう、抱きしめた
侑「行かんよな…?ツナは何処にも、行かんよな…!?」
綱「どうしたの侑兄?俺は何処にも行かないよ?」
侑「アカン…!分かっとるんやけど、どないしても不安なんや…!!」
ツナがどっか、俺の手の届かん所に行ってまいそうで…
言いそうになった言葉を、ギリギリで飲み込んだ
綱「大丈夫だよ。俺は絶対、何処にも行かない」
侑「せやったら、もう学校なんか行かんといて?あれやったら氷帝にでも通えばええんやし」
綱「………」
一旦体を離して目を覗き込むも、困ったように笑うだけで、何も言ってくれへんかった
沈黙が何よりの訴えに思えて、なぜだか無性に泣きたくなった
((お願い。分かって?侑兄))
(そう言われとるようで、俺も何も言えんかった)
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