番外編
□優しく弱い君
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越「ツナ兄、お願いだから…もう学校に行かないで…」
綱「リョーマ…」
今日も暴行されたのか、全身傷だらけで帰ってきたツナ兄
何でこんなになってまで学校行くの?並高に行ったって、辛いだけなのに…
越「やだよ…何で…何でツナ兄が傷つかなきゃいけないのさ…」
綱「リョーマ、俺なら大丈夫だから」
越「大丈夫なわけないでしょ!」
思わず叫ぶように言ってしまい、ハッとする
ツナ兄は悪くないのに…
『ごめん』と小さく謝ると、ツナ兄に抱きしめられた
綱「何で謝るの?リョーマは俺の事を思ってくれたんでしょ?ありがとう」
越「だっ…て……ツナ兄…だって、悪っ…ないのに…」
ポロポロと涙が零れてきて、上手く喋れない
ああ情けない。本当に辛いのは、泣きたいのはツナ兄なのに
綱「俺は何もしてなかったけど、信用してもらえなかったのは俺の落ち度だったんだよ」
越「違う!ツナ兄は悪くなかった!信じないアイツらが悪いんだよ!」
そう言うと、ツナ兄が苦笑したのが気配で分かった
越「だから、だからツナ兄。あまり自分を卑下しないで…」
ツナ兄の背中に手を回し、ギュゥ…と抱き着く
そしたらツナ兄が背中を撫でてくれて、安心すると共に酷く自己嫌悪した
意地っ張りな君を甘えさせてあげたいのに、結局甘えてるのは自分の方
(休息を与えてあげたいのに)
(どうしても甘えてしまう)
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