Arcifanfano
□ACT.12〜悔しさと事件の全貌〜
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芥川慈郎side
時間が経つのが、凄く長く感じた
ふと気が付くと、いつの間にか青学や立海、マフィアの人達も沢山居て
でもこんなに沢山居ても、誰も喋らない。喋れない
重苦しい沈黙が降りていて、皆一様に手術ランプを見つめていた
と、その時
全「―――っ!!!」
皆の息を飲む音が聞こえる
ランプが、消えた
医「最善は尽くし、彼もよく頑張ってくれました。治療は成功し、これからは回復に向かう筈です」
芥「それ…ほんと…?」
医「はい…」
ぼんやりとした視界に映ったのは、マスクを外した医者
嬉しい報せの筈なのに、素直に喜べないのは多分…医者が難しい顔をしてるからだと思う
医「ただし、大掛かりな手術故か…怪我の元が原因かは分かりませんが、彼は今……意識不明の状態にあります」
「え…」
誰が呟いたのかは分からない
俺だったのかもしれないし、違ったかもしれない
ただ、目の前の医者を眺める事しか出来なかった
医「いつ目が覚めるのか、いつまで眠っているのかは分かりません」
大「何とか…何とかならないんですか!?」
医「私達には不可能です。彼自身が、目覚めるのを拒否してるので」
原因なんて、一つしかない。……あいつらだ
思わず、ギリ…と歯を食いしばった
何で…何で!何でツナがこんな目に合わないといけないの!?
病室に移されたツナは、包帯や点滴で痛々しい
表情も心なしか青く、俺には泣きそうに見えた
ねぇ、神様がいるとしたら…何でツナばかりにこんな運命を与えるの?
不意に握った手はいつもより冷たく、一瞬死人のようだと思った
ねぇ、何で?答えてよ!!
お願いだから…俺達からツナを連れてかないで…
お願いします…!
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