Arcifanfano
□ACT.13〜真実と非情な現実〜
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獄寺隼人side
耳が良い俺だからこそ聞こえたであろう、笹川の声
瞬間的に言い返しそうになったのを堪え、リボーンさん達に反論しながらも耳を傾ける
花「間違えたって…どういう事?」
京「私達の考え……ツナ君は、本当に無実なのかもしれない…」
花「はあ?」
黒川が急に大きめの声を出した為、視線が2人に集まる
その場全員の視線を受けて心地悪いのか、目を逸らしつつも『何でもない』とごまかした
周りもその事が分かったのか、すぐに視線は外れる
花「何言ってんのよ今更!アンタも見たでしょ!?」
京「何を…?花は、何を見たって言うの…?」
花「そっ…れは……。…由季子が…泣いて…」
京「泣いてただけだよ?泣くなんて、誰にでも出来る…」
その言葉に、俺も考えてみる
確かに、〈涙は女の武器〉と言うだけあって、嘘でも涙が流せる女はいる
だが、それが由季子に当て嵌まるとは思えねぇ
俺はソロリと、山本が抱きしめている由季子に視線を向けた
獄「っ!?」
由季子は、睨んでいた
リボーンさん達の話を聞きながら静かに。けど憎々しく、ばれないように…睨んでる
…いや!誰だって本当の事を嘘って言われたら怒るだろ!!
由季子だってそうだ!それも沢田に怪我させられたんだから、憎くなっていてもしょうがねぇ!!
そうに決まってる!!
俺は頭に過ぎった嫌な予感に、蓋をした
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