Arcifanfano改

□ACT.2〜治療と笑顔〜
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跡「おい忍足!今、綱吉って言わなかったか!?」
宍「そうだぜ!ってか2人共、ツナの事知ってんのかよ!?」

 とりあえず立海まで行こうと、駆け出したその瞬間。後ろから腕を掴まれた。
 急いでんのに引き止められた事に対する苛立ちが、沸々と沸き上がる。


侑「せや!沢田綱吉が今大怪我しとって俺が行かなアカンねん!はよ離してぇな!!」
跡「忍足落ち着け!それなら俺様の家から車を手配するから直ぐに来る!まずは状況を俺様に説明しろ!」
宍「俺も行くぜ!ツナの事なら尚更な!!」

 2人の言葉に、いきり立っていた力が自然と抜けていく。そうや、俺が焦ってどないすんねん。
 焦っとったら冷静な判断が出来んくなる。今は2人に状況を説明して、跡部の車で向かう方が断然早く着く。
 それにこの2人がツナの知り合いなら、ちゃんと説明せな。


侑「…せやな。気が動転しとった。すまん。実は…「あの…」
宍「長太郎?どうした?」
鳳「さっきから誰の話なんですか?その…沢田綱吉って」

 急いどるのに遮られたせいか、鳳の言葉にまた苛立ちが募る。
 せやけど、そのおかげで他の奴らの事思い出した。
 アカン。ツナの事なると周りが見えんくなる。今跡部は車手配しとるし、先にこいつらにも説明しとくか。


侑「ツナは並盛高校っちゅー所の1年生や。俺が知り合ったんわ中2の頃で、俺の…最も大切な奴や」

 そう。俺にとってツナは、何をしてでも守りたいほど大切な人。
 本来ならツナのいっちゃん(1番)傍におって、いつかツナの隣に立って、ツナの全てになりたい。
 しかし自分達は未だ高校生。傍におりたい思うても、まだ何も出来ないし何の役にもたてない。
 それが、それだけがとても歯痒い。


宍「俺と綱吉は幼なじみだぜ。俺は昔、並盛に住んでたからな」
跡「俺様が知り合ったのは、ちょうど今から2年前だ」

 電話が終わったらしい跡部が、こちらに歩き寄りながら告げる。
 せやけど、そんな事よりも、俺は宍戸の発言の方が気になった。
 幼なじみゆう事は、俺よりもずっと前からツナと知り合うとったいう事。
 それが、途方もなく悔しい。


侑「ツナはまぁ、一言で言うなら不思議な奴やな。何て言えば良いんや?普段はおどおどしとる癖に、仲間のピンチになると率先して助けに来てくれる」
跡「そうだな。綱吉はいつも、仲間や友達を1番に考えてくれる。まぁ元々極度のお人よしってのもあるんだろうけどな。困ってる奴はほっとけないんだと」
宍「まぁ、昔からそうだったしな。例え相手が自分を虐めてた奴だとしても、困ってるなら放っておく事が出来ないんだ。偽善者ってツナは言うけど、俺はそんなツナが大好きだな」

 話をしていると跡部の車が俺達の目の前に止まり、俺ら3人は直ぐに乗り込む。
 俺が柳生から届いたメールに記載されとる住所を読み上げとると、岳人達も跡部の車に乗り込んで来た。
 …は?いやいや、何で自分らまで来てんねん。


向「別に良いだろ?侑士達にそうまで言わせたそいつに興味あるし!」
芥「俺も会ってみたいCー!ね、鳳!」
鳳「はい!日吉も会いたいよね?」
日「俺は別に…。ただ、その人に何があったのか気になるだけです」

 日吉の言葉に反応して、ツナに何があったのかを聞く2人にそのまま電話の内容を伝える。
 それを聞いた跡部と宍戸は顔真っ青にして、まるで今にも倒れそうや。
 心境は分からんでもない。というより、俺も同じ気持ちや。
 せやけど、ツナの治療をするまで、俺は倒れる訳にはいかん。

 ツナ。俺が救ったるさかい、待っときや。絶対に俺が守ったる。




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