Arcifanfano改
□ACT.2〜治療と笑顔〜
4ページ/6ページ
宍戸亮side
俺の幼なじみで、大切なツナ。昔から女みたいに可愛くて、俺の後ろを付いて回っていたあいつは、俺にとって弟のような存在たった。
少し鈍臭い所のあるツナはよく怪我をしていて、俺やもう一人の幼なじみをヒヤヒヤさせていた。
それでもその時は擦り傷や打ち身程度で、酷くても捻挫ぐらいだけど、今回のはそんなレベルじゃない。
服の下から現れた、無数の痣や傷。明かに他者によって傷付けられた傷。それらを見た時、心臓が冷えていくのを感じた気がした。
なぁツナ。今度はお前に一体、何が起こってるっていうんだ?
柳「…と、言う事だ」
宍「そんな…嘘だろ…?」
あの後、柳が事のあらましを大まかに説明してくれた。ツナがクラスメートに嵌められた事、他の奴らは信じなかった事、毎日暴力を振るわれていた事。
正直言って、少し信じられない。だって俺は、最近は行けてなかったけど部活の無い日はツナの家に行ってたから、獄寺達の事は知ってる。
でも俺の知るアイツら(特に獄寺)はツナが大好きで、ツナをかなり大切にしてる奴らだ。
だけど、柳の説明の中の二人は、全くの別人だった。正反対だ。対極だ。全然、違っていた。
…なぁ、獄寺、山本。ツナの事大切じゃなかったのかよ?信頼してたんじゃなかったのかよ?愛してたんじゃなかったのかよ?
違ったのか?そうじゃなかったのか?そう見せていただけなのか?
…絶対に許さねぇ。何だそれ。例え騙されただけとしても、自力で気付く事は出来るだろ。暴力を奮う必要は無いだろ!
本当に好いてたなら本当に愛してたなら、騙されても唆されても嵌められても!決して手を挙げてはいけなかったんだ!信用出来なくなっても、惚れた相手に手を挙げるなんて最低だ!!
たとえツナや周りが許しても、俺だけは絶対に許さねぇ!!
跡「綱吉、その二人の特徴を教えろ…!」
綱「え…?な、何で?」
跡「決まってんだろ?忠告と…釘刺しだな。本来ならぶっ殺しても足りねぇくらいだ…!」
綱「や、ダメ!景兄、お願い…」
跡「…はぁ。分かってるよ。忠告くらいで我慢してやる」
跡部の袖を掴んだツナは、眉を下げて苦しげな表情で跡部の顔を覗き込む。
その顔は苦しげだけど、その中にまだあいつらに対する心配があるのが分かり、ツナにばれないようそっと唇を噛んだ。
侑「跡部、俺も行くで。ツナが通っとる学校に興味あったしな。構へんやろ?」
宍「俺も行くぜ。学校の場所やあの2人の事は知ってるし、俺もアイツらに言いたい事あるしな」
綱「言いたい事…?」
首を傾げて俺を見上げるツナの頭に手を置いて、優しく撫でる。どこか不安げな表情のツナを安心させるよう、ゆっくりと。
気持ち良さそうに目を細める姿はまるで猫みてぇで…男なのにすげぇ可愛い。
宍「あぁ。ツナにはお前らなんかがいなくても、俺らっていう仲間がちゃんと居るんだってな」
綱「っ!?亮兄、ありがとう」
一瞬目を見開いたツナは、先程までの心配や不安を吹き飛ばすかのように、はにかんで笑った。
それを真正面から上目使いというオマケ付きで見ちまった俺は、赤くなった顔を隠すように目を逸らす。あー…、くっそ。マジで可愛い。
幸「…俺も行って良いかな?」
.