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□首を返せ
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 俺の家には、首のミイラがある
 それは俺が生まれる前からあり、いつの物か、誰のモノかは全く分からない
 ホラー好きの俺だが、昔から見てきたせいかこのミイラにはあまり関心がない
 その為俺には関係ないと結論付け、今日も下剋上の為自主練を積んでいた
 その日もミイラが置いてある部屋の前を特に見向きもせず通過し、部活の疲れから早急に眠りについた




「………ん…」

 目覚ましの音で目を覚ます
 腕だけ布団から出して目覚ましを止め、目を擦りながら起き上がると、視界に紅が映った
 ………紅?


「っ!?…なっ……」

 突然の事に一気に覚醒した頭で、部屋の中を見渡す
 俺の部屋は、不気味な紅い手形で埋めつくされていた
 床、壁、天井……至る所に手形が付いていて、その数も相当ある


「チッ…気味の悪い…」

 時間も無い為母さんを呼んで片付けを頼み、とりあえず学校に向かった
 気味の悪さに朝の気分は最悪だったが、部活が始まる頃にはもう忘れてた
 しかし家に帰り、部屋に戻った瞬間、再び思い出す
 増えていたんだ
 今朝は手形だけだったのに、床に足跡が増えていた
 急いで母さんに聞きに行くと、この跡はけっこう簡単に全部消えたらしい
 なのにまた、いつの間にか再び付けられていた


「ふざけやがって…!!」

 誰なんだ!こんな気味の悪い事をするのは!
 一体誰がこんな悪趣味な悪戯をするんだ!
 腹立たしい…!!




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