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□掴まれた…
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「じゃあブン太。戸締まりしっかりね」
「おぅ!じゃあな〜」
幸村君も帰り、中学の部室にしては広い部室内には、俺1人だけになった
本来ならもっと早くにジャッカルや赤也と帰ってんだけど、さっき仁王からメールが来て、待ってる事にしたんだ
因みにメールにはまだ部室に居るか?って事と大事な話があるから残っててほしいって事が書かれてたんだよぃ
んで、仕方なく待ってやってるって訳。俺って優しいだろぃ?
「に、しても…遅ぇなー…」
部活が終わってから大分時間は経っちまって、もうすぐで8時だ
……いくら何でも遅すぎねぇか…?
「『まだ部室着かねぇのかよぃ!』…っと…」
仁王にメールを送って携帯を閉じた時、ガタンと隣のロッカールームから物音がした
……もしかして、仁王は俺を驚かせようと隠れてた。とか?
「何だよぃ!居るんなら居る…って……アレ?」
ガチャ…とロッカールームに入り明かりを付けてみるが、誰も居ない
物音は気のせいだったかと、再び電気のスイッチに手を伸ばす
しかし電気を切る寸前で、ロッカーの前に携帯が落ちてるのを見付けた
「誰のだよぃ!バカだなー………ぇ…」
落ちていた携帯を拾おうと携帯の前でしゃがむと、体が硬直した
だって……嘘だろぃ?
薄いライトグリーンの、何の装飾も無い携帯。これは、仁王の携帯だ
「何で………っ!?」
携帯を取ろうと伸ばした腕を、誰かに横から掴まれる
青白い手は強い力で俺の腕を掴むも、俺の意識は他へいっていた
ロッカールームには俺1人しか居なかった筈。じゃあ、この青白い手は、誰の…?
呼吸が震える。ソロリと、目先を掴まれた腕の先にやった
伸びた腕は、扉の壊れたロッカーの奥から伸びていた
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