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□柱の中に
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 部活帰り、今日は桃先輩に用事があるらしく(珍しい…)久しぶりに1人で帰っている
 いつもは桃先輩の自転車に乗せてもらってるから分からなかったけど、この道こんなに長かったんだ…
 そんな事を考えながら歩いていると、ふと自分に向けられた視線に気付く

 ……誰かに見られてる?

 でも周りに人は居ないし、その視線もすぐに消えた
 疲れてんのかな?早く帰って風呂でも入って寝よう…
 しかし、再び足を踏み出した所ですぐまた止まった

 ………、誰?
 近くの電信柱には、見た目30代位のおじさんが、半分だけ体を出してこっちを見ていた
 知り合いだっけ?…いや、知り合いなら普通、話し掛けてくる筈…
 少し迷ったけど、結局無視する事にして、気持ち早めに男の横を通り過ぎる
 だけど、好奇心から本当に俺を見ていたのか知りたくて、後をチラリと振り返った


「……あれ…?」

 振り返った先の電信柱には、誰も何も居なかった
 可笑しい……やっぱり疲れてるのかな?
 僅かに違和感を感じるものの、そのまま家への道を辿る














 暫く歩いて、再び嫌な予感に襲われた
 何で…?普段ならもう家に着いてる筈なのに
 いくら最近は歩いていなくとも、1時間もかかる道じゃないって事くらいは知ってる



「……っ!?」

 不信に思いながら顔を上げると、思わず立ち止まって目を見開いた
 数歩先にある目の前の電信柱。そこには、さっきのおじさんが立っていた……




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