短編集

□選択
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 野球とツナ、10年前の俺は両方手に入れるつもりだった
 手に入れる自信はあったし、それが最善の道だと思っていた



「皆、これから大事な話をするから、ちゃんと聞いてね。
 俺は一ヶ月後、イタリアに行く。多分、もう日本に住むことは無い。でも、それに皆を巻き込むつもりも無い。
 …一週間猶予をあげるから考えてみて、イタリアに行くか、日本に居るか。
 …イタリアに来たら、もう今までの生活は出来ないから…」


 突然、守護者を含めた仲間を召集して始まったツナからの連絡
 獄寺やチビ達、獄寺の姉貴はすぐに決めたが、他の奴らは顔を曇らせて帰った

 勿論、俺も



 一週間はあっという間に過ぎて、再び、召集がかかる

「…じゃあ、もう一度聞くね。これが最後だから。…俺とイタリアに行ってくれる人は、手を挙げて下さい」


 ス…と誰も何も言わずに、だけど全員が手を挙げていた
 皆の顔は一週間前と違い、晴れやかだった

 勿論、俺も

 ツナはその場に座り込み、泣き出した


 嬉しいんだと言っていた、皆が自分について来てくれて
 悲しいんだと言っていた、皆を巻き込んでしまって

 雲雀や黒曜の奴ら(クロームを除く)は呆れていたが、そんなツナだからこそ、俺達はついて行くと決めたんだ




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