ロスタイム

□何気なかった日々
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残された時間…


タイムリミットはあとわずか10日。



普段の生活だったら長く感じていた。



けれど私は10日後にいなくなる…




10日がとても貴重で早い気がした…








『10日か…。やり残したこと沢山あるわね…』






思い返せば沢山ある。
きっと数え切れないだろう…








『お前とも10日でお別れしなくちゃならないわ。…大丈夫、きっとフュリー曹長たちが世話をしてくれるわ』







そう言ってリザはハヤテ号の頭を撫でた。


リザの目は切なそうだった。








『クゥ〜ン』








ハヤテ号はそんなリザを励まそうとリザの手を舐める。








『フフ…ありがとう。大丈夫だから』







リザは立ち上がりハヤテ号に微笑む。



それを見てハヤテ号は尻尾を左右に振る。







『っま、死ぬ前の運命は変えられるらしいしポジティブに考えましょ』





そう…


死ぬ前の生活など運命は変えられる。
それが楽しみなリザの心と


10日後に自分が死ぬとわかって悲しいリザの心が渦巻いていた…









『そういえば、ここの朝の景色って綺麗よね』






朝リザが司令部に向かう時に通る道や景色はとても綺麗だった。



なんだかいつもより綺麗に見える…









『目に焼き付けておかないとね』








きっとこ道を通るのもあとわずかなのでリザはゆっくりと道を歩く。









『ワンワン!』







『ハヤテ号?』










突然ハヤテ号が吠え出した。



それは 早くしないと仕事に遅れちゃうよ との合図であった。









『いけない。遅刻しちゃうわ。ハヤテ号走るわよ!』







『ワン!』












リザとハヤテ号は綺麗な朝の道を走り司令部へと向かった。






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