ロスタイム

□キューピット
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刻々と時間が過ぎていく…


明日はもう17日か。



リザはそんなことを思いながら自宅でお菓子を作っていた。



この前作ったお菓子が好評だったので、また作ろうと思ったのだ。



それに、またみんなの喜ぶ顔が見たい…


もう少しで見れなくなるのだから…





『そういえば明日はどうしようかしら』


フュリー曹長のことは終わった…


やはり流れ的にファルマン准尉かしら?



でもファルマン准尉って何かあったかしら…




どんなに考えてもファルマンの悩み事などはわからなかった。



いっそのこと本人に聞いてみようかしら…


せめてもの恩返しとして…













──次の日



普段通り仕事をしていた。 今は休憩時間だ。


その間にリザはファルマンに思い切って聞いてみた。




『ねぇ、准尉は悩み事とかないの?』



ファルマンは え?と言いたそうな顔をした。





『どうしたんですか突然?』



『なんとなくよ』




するとファルマンは黙り込み腕を組んだ。



『んー、ないと言うと嘘になりますね』



『え?あるの?』



リザはないと返ってくると思っていた。





『実は…その…気になっているというか好きな女性がいまして…』



ファルマンは頭をボリボリかいた。




『そうなの?』



リザは驚いた。

ファルマンがまさか恋してるなんて信じられなかった




『意外でしょ?私が恋するなんて…』




本当にそうだと思った。


『相手はどんな女性なの?』



『軍人ですよ…』



リザは更に驚く。




『私は知ってる?その人のこと…』



『えぇ知ってると思います』



『誰なの?』



リザは聞いてみた。
ファルマンは少し間をおいて答えた。




『……シェスカです』



『…!?シェスカ?本のむ…、そうなのね』



そう…好きな女性は本の虫と呼ばれているシェスカだった。



ヒューズに連れ去られ軍に入り、たくさんの資料や本を読んでいる本のむ…女性だ。




ファルマンはなんだか照れくさそうだった。




『どこに惹かれたの?』



リザは更に質問する。




『なんというか…、ほっとけないというか…守らなきゃというかι』



表情からするとファルマンは本当に惚れてるようだった。




『そうなのね…、告白はしないの?』




『こっ告白ですか!?そんな…シェスカは私の事どうも思っていませんよ』



ファルマンは無理してリザに笑って見せる。



リザは切なくなった。




『でも告白しないでいるつもり?もしかしたら誰かに取られちゃうわよ?』



『したい…です。けど勇気がなくて…タイミングもわからないし…』




『しょうがないわね…』




リザは微笑んだ。



『中尉?』




『私が協力しましょう』




『そっそんないいですよ。私の問題ですし!』




ファルマンは慌てだした。


顔が真っ赤だ。




『とか言って自分でどうにもならないでしょ?』



ファルマンは黙り込んだ。





『いいんですか?』




『任せなさい』





まさかファルマンの悩みが恋だなんて正直びっくりした。





それからリザはファルマンに協力するようになった。






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