ロスタイム
□時間屋
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─昼休み中
ファルマンの事は終わった。
残るは…
『みんな、またお菓子作ってきたんだけど食べる?』
リザは昨日作ったお菓子を差し入れとして持ってきていた。
『食べます〜♪』
お決まりの返事が返ってきた。
全員目を輝かせている。
『オレンジケーキを作ったんだけど、お口に合うかしら?』
リザが配ったオレンジケーキを一口食べる。
すると…
『……っ美味しい!』
どうやら喜んでくれたようだ。
『中尉は料理上手っすねぇ!』
『いい嫁さんになりますよ!』
『美味しいです〜♪』
『これは素晴らしい』
『私の好みな味だ』
決まってみんなが評価してくれる。
凄く嬉しい…
『失敗したと思ったんですけど、よかったです』
リザは少し照れ笑いした。
『中尉も食べましょうよ!』
ハボックがリザも一緒にと誘う。
『中尉ぃおかわり!!』
ブレダがリザにおかわりをねだる。
『お前は食べ過ぎだ!!』
すかさずロイはツッコム。
『『あはははは』』
楽しい時間…和やかな時間…
こうやって笑いあえる時間…
あぁ…もうこういう時間が無くなっていく…
あと少しで私はいなくなる。
みんなとこうやって過ごしていたい…
そばにいたい…
笑っていたい…
けど、みんなとこうやって楽しく笑っていることが、辛いの…
思い出が深くなりすぎて、自分があと少しでいなくなると考えると…
願ってはいけないことを願ってしまう。
シニタクナイ
イキタイ
駄目だ…
こうやってみんなといると頭がおかしくなる。
『…っちょっとすいませんね』
リザは耐えられなくなって駆け足で執務室を出て行った。
『どうしたんだ中尉…何かあったのか?』
『さぁ…、大佐知ってます?』
『……私は知らんな』
リザの突然の行動にロイたちは首を傾げていた。
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