ロスタイム

□故郷
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─9月19日





リザは2日間、休暇を取った。



本来なら仕事をしなくてはならないが時間がなかった…







この世からいなくなる。



なら生きているうちに故郷に戻りたい。



リザはまったくと言っていいほど故郷に帰っていなかった。



何故なら両親はとっくに亡くなっているから…




知り合いもいない。




でもせめて、墓参りくらいはしたい…





大切な両親が眠る故郷へ行こう。
























リザはそう決めて我が故郷へ帰ってきた。













『うわー懐かしいわね』




『ワン!』




リザはハヤテ号も連れてきた。


懐かしい故郷に感激している。






『変わってないわね…』


リザは辺りを見回して歩き回った。

何も変わっていない。


そんなことに新鮮さを感じた。







ずっと歩いていると、ある家を見つけた。




そう…リザが住んでいた家だった。







『古くなったわ…、でも変わってない。……ただいま』





リザは住んでいた家を見渡し中へ入った。






ギシギシ…






『…ι何年も誰も住んでいないもんね』





リザが歩くたびに音を出す床…

相当もろくなっているのがわかる。




『ぅわっ…!』




するとリザは何かにつまずいた。




『…これは…』




つまずいたものは本だった。

とても使い古した本…




『ふふ…昔を思い出すわ』





その本はよく修行時代のロイが読んでいた本であった。





『あの人昔から一生懸命だったわね…』




懐かしい記憶が蘇ってくる。





あの頃の大佐は純粋だったわね…





思い出すだけで微笑ましく思った。






小さい頃は母も父も生きていて幸せだった。



母は早くに亡くなって悲しかった…




だけど、私のそばには父もいたし大佐…マスタングさんもいた。




今なんて数多くの仲間たちに囲まれて支えられてる…






なんだか不思議な感じがする…












リザは物思いにふけていると、いつの間にか時間が過ぎていた。







『そろそろ墓参りに行きましょうかハヤテ号』




『ワン!』











リザは家を後にした。







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