ロスタイム
□運命の日
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─9月24日 運命の日
リザは朝早く起きて仕事へ行く支度をする。
今日でもうこの自宅にはおさらばだ。
景色も…みんな
『じゃぁ行ってくるわね。ハヤテは留守番してて』
『ワン!』
リザはハヤテを見つめ手を振る。
そしてドアノブに手をかけた。
『ばいばい。ありがとう…』
そしてリザは司令部へ向かった。
────
リザは執務室につくと扉を開けた。
『おはようございます』
『おはようございます中尉』
最後の挨拶…
あぁもう聞けないんだ。
そして…
『おはよう中尉』
この人からの挨拶も…
ロイは昨日、何事もなかったようにリザに振る舞った。
『おはようございます大佐』
そして私も何事もなかったように…
『大佐ぁ残業は勘弁スよ〜』
『うるさい!ちゃんとやる』
こんなやり取りを聞くのも今日で最後である。
『まったく、いいから仕事しますよ!』
そして彼らを叱るのも今日をもって最後だ。
『ちゃんとやるからサポート宜しく中尉』
『はいはい』
もちろん貴方との会話もね…
あぁ…"いつも通り"ってなんて幸せなことなのかしらね…
もっと人生を大切にして生きればよかったかもね。
そんなことをリザは思いながら…
チリリリリ
電話が鳴る。
あぁ来てしまった…
私の運命を変えた電話。
心拍数が上がるのが自分でもわかる。
"死"は恐いわね…
そしてロイが不機嫌ながらにも受話器を取った。
表情が変わる。
そして勢いよく席を立った。
『事件だ!すぐさま現場に向かうぞ!』
『はっ!!』
ついに来た…
間近に迫る死
本当は恐い
それでも…
私は精一杯に生きようじゃない…
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