ロスタイム

□何気なかった日々
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リザはギリギリで間に合った。



そしてロイたちがいる執務室に入る。







『おはようございます』






『おはようございます。中尉!』






部下たちが元気よくリザに挨拶をする。







『おはよう。今日は遅かったね』






上司であるロイもリザに挨拶をする。
いつものリザが早く来ないなんて珍しいと思ったのか少し口調が疑問系だ。









『すみません。少し忘れ物をしてしまって…』






自分の寿命が短いと知り景色に見とれてたなんて言えない…







『珍しいな。君らしくない』





『申し訳ありません』





遅刻したことは事実であるのでリザはロイに頭を下げる。







『別にいいんだ。ほら仕事するぞ』







『はい』





どうやら遅刻については多目に見てくれたらしい。


そしてリザたちはいつも通り仕事に取りかかる。





黙々と仕事をしているとハボックがリザに話しかけてきた。






『中尉ぃ。俺彼女できたんスよ。もぅ可愛くて〜』







どうやら彼女自慢のようだ。
よほど嬉しいのか上司のリザにまで彼女のことを話したいらしい。







聞き流そうと思ったがリザはハッとし何かを思い出した。







『レインさんて人でしょ?やめときなさい その人は』






ハボックは え? と言いたそうな顔をした。






『ななんで知ってんスか!?エスパースかあんた!』




ハボックは彼女のことを何も知らないはずのリザに名前などを言い当てられたのでビックリする。







『えっいや…その…』







実はハボックがレインという女性と2日で別れるのを知っていた。




これは過去に戻れたから知っていただけである。







『しかもやめとけって…なんでですか!?』





『ん〜なんとなくかしらね。もっといい女性がいるはずよ?』






一応ハボックには忠告しておく。信じてもらえないかもしれないが…







『いや!今度こそ大丈夫っス。彼女優しいし♪』







あぁ哀れハボック…
本当なのに…






だがリザは思った。
ハボックの人生を少し変えられるかもしれない




人の人生を変えるなんて最低のことかもしれないが恩返しがしたかった。






ハボックだけでなくみんなに…








『そうね…うまくいくわよ』






リザは作り笑いではあるがハボックに微笑んだ。








『君達、無駄話はよさんか。ハボックいい加減にしろよ?』





ロイがリザたちの会話に割り込む。

どうやらロイはリザとハボックが仲良さげに話すのが気に入らなかったらしい。








『いいじゃないスか!どうせ大佐はモテて幸せでしょうな』





『あぁ、そうだな。どうせまた彼女と別れるのだろ。まぁいい、仕事しろ』





『今度の彼女は幸せにしますよ!まったく仕事すればいいんでしょ』






ロイとハボックは睨みあっている。

二人の間に火花が散っている模様…








あぁ…こんな情景も見るのもあとわずかか…







『はぁ…』




リザは溜め息をついた。




『どうした中尉、溜め息なんか…』





ロイはなんだか元気がないリザを気にかける。






『大佐が真面目に仕事しないからじゃないスか?』





次はハボック嫌みなように口を挟む。





『うるさいぞ』





自分が死ぬなんて言えない…




それよりこの二人はいつまで子供じみたことを…






『なんでもないです。二人ともいい加減に仕事してくださいね』








『はい…』


























あぁ こうやって叱るのもあとわずかか…







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