ロスタイム

□キューピット
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『シェスカは私のことどう思ってるんでしょうか…』



『…さぁ。聞いてみないとわからないわ。じゃぁまた後で』



話を終えると持ち場について仕事に戻る。



休憩時間は終わった。





『ホークアイ中尉』




ロイがリザを呼んだ。



『この資料を取ってきてくれんか』



ロイはひと切れの紙をリザに渡す。


『了解しました』



リザは執務室を後にした。



リザ資料の保管庫に行き紙に書かれた資料を探す。


『どこかしら?』



いくら探してもない…


というかたくさんありすぎて見分けがつかない。


『どうしましょう…』






ガチャ




リザが悩んでいるとドアが開いた。




『ホークアイ…中尉?…こっこんにちは』


なんとシェスカが現れた。


なんて偶然なんだろう。

どうやらシェスカも何やら資料を探しにきたらしい。



『シェスカいいところに…』



『え?』


『実はこの資料を探してるんだけど、どこにあるか知らない?』



リザはシェスカに紙を見せ、シェスカは覗き込む。


すると、ある場所にシェスカは動いた。




『こっこれですか?』


ある棚からシェスカは資料を取り出した。



『そうよそれ!』


リザはビックリした。

流石は本のむ…シェスカ。



『ありがとうシェスカ』



『どういたしまして』



リザは資料を持って戻ろうとした時、ファルマンのことを思い出した。




─そういえば…




『ねぇシェスカ…』



『はっはい!』



シェスカはオドオドしていた。



『その…あなたは恋人とかいないの?』



『へっ!?そっそんないる訳ないでしょ!私のこと見てくれる男性なんていませんよ』



シェスカはシュンとしていた。



『あら、あなた可愛いじゃない。私にはそんな可愛さもないもの』



『なっ!そんなぁ…中尉は綺麗です』



シェスカは少し緊張気味に答えた。



『っありがとう。綺麗じゃないわよ?……それと気になってる人はいないの?』




リザはシェスカをじっと見る。



『えぇぇ!?とっ特には…』



『あら…そうなの』



じゃぁファルマン准尉のことは何も思ってないのかしら…




『ちゅっ中尉の方こそ気になってる人や恋人はいるんですか?』




はい?




逆にシェスカが質問してきた。



『そんないないわよ。私なんか…』



『え!意外です。中尉美人だし…私…、中尉はマスタング大佐のこと好きなのかなとか思っていましたι』



何を言っているんだ この子は…



『美人じゃないわ。それに大佐のことは頼りになる優秀な上司と思っているもの』



リザは冷静に答える。



『…本当ですか〜?』



シェスカはリザの顔を覗き込む。



『…っ!本当よ。あっあとシェスカ、ファルマン准尉のことどう思ってたりする?』



『え?准尉ですか…、ファルマン准尉はよく私にちょっかい出してきて本当に困った人だと思ってます』



シェスカは急に怒った表情をした。



『あら、それは困るわね』




准尉ι




『本当はいい人だと思ってるんですけどね』



『まぁ准尉は優しいと思うわ』



リザはシェスカに微笑んだ。



『というかなんで准尉なんですか?』



シェスカは思ったより鋭い質問をしてくる。



『いや…准尉はよくシェスカと会うって言っていたから…』



『そうなんですか』


よかった…ごまかせた。


『でも最近会いませんね。この前まで資料を取りに私の所によく来てくれたのに…』


シェスカは少し寂しそうな目をした。



『っま、ちょっかい出されないからいいんですけどね』



笑ってみせるシェスカ…

でもその目は寂しそうだった。



『…ありがとう。じゃぁ私は戻るわ。またね』



『はい、また困った時は呼んでください』






そしてリザは執務室へ戻っていった。







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