福本さん作品 夢

□ハラハラドキドキ…!お風呂掃除っ…!!
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ふっ…と時計を見ると、15:00。



あ…そろそろお風呂掃除しなきゃ。

ソファでのんびりと読んでいた雑誌をテーブルに置き、立ち上がる。



「お風呂掃除してくるね」



隣に座り、テレビを観ている彼に告げると

「ああ、頼む」

と返事が返ってくる。




浴槽スリッパを履き、彼に手が荒れるから着けるよう言われたゴム手袋をはめる。

スプレー式の洗剤をかけてスポンジで擦る。

浴槽・壁・床…大体洗ったところでパネルの電源を入れようと手を伸ばす。

と、パネルの汚れが気になった。

此処に入って結構経つし、お風呂など水を使う所はどうしても水垢などが気になってしまう。



「よしっ!」



私はスポンジとブラシを使いパネルを磨き始めた。

…がっ!

気をつけていたが、スポンジでボタンを押してしまった。

電源は落としているが、反応してしまうようで

よりによって呼び出しボタンを押してしまった…。


リビングに居る彼に聞こえてしまっただろうか?
ボタンを押してしまった事を伝えようと浴槽から出ると、ドアの向こうから彼の声がした。



「亜加里?」

「あ、ごめんなさい。間違えて押しちゃったの。
何でもないから大丈夫!今、パネルの掃除しててね
また押しちゃうかもしれないけど…大丈夫だから!」

「……分かった」



ふぅ。

今度は押さないように気を付けないとね。



掃除を終えてドアを開けると
壁に寄りかかり雑誌を読んでいる彼の姿が。



「聖也?」

「終わったのか?」

「うん…どうして」



彼は私の問いに雑誌を閉じて頭をガシガシと掻いた。



「…さっきのは間違えて押したけど
次押したのが間違えとは限らないだろ?」



私は彼の言葉に何も言えなかった。

彼の優しさが嬉しくて、思わず抱きついた。



「手袋とスリッパ…」



呆れたような口調だけど、背中に回された腕は優しかった。










ハラハラドキドキ…!お風呂掃除っ…!!










2012/05/18







これもまた私がやってしまった事なんですがね。
家は誰も来てくれませんでした。…来られても困るんですがね。
店長が心配して外で待ってたら可愛いなぁと思ったので…。





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