福本さん作品 夢

□風邪をひいた日
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「ゲホッゲホッ…ゴフォ!!
…今の咳はないわ〜」



あー喉痛い。


何を言っても何も返ってこない…。
あ〜辛い…寂しい…。
何で風邪なんてひいちゃったんだろう。





風邪をひいた日





急に寒くなったからかな。
本部長には暫くの間休むように言われちゃったし…。
こんな状態で会社行ったって何もできないどころか皆に風邪移しちゃって
迷惑かけるだけだけど…。
寂しいっ!!



コンコンッ



玄関の戸をノックする音が聞こえた。



誰だよこんな時に…出られませんよ〜。



ガチャ



えっ?!



「不用心だな〜…おーい、居ないのか?」

「は、隼さん?!どうして!」



聞こえた声は隼さんのもので、吃驚した私は飛び起きた。

…がっ!



「痛ー!腰痛い!!」



腰と背骨に激しい痛みが走った。



「おいおい大丈夫か?!」



靴を脱ぎ駆け寄ってきた隼さんに支えられ、私は再び布団に横になった。



「すみません隼さん。どうしたんですか急に。
会社で何かあったんですか?あぁこんな時に風邪なんてひいてすみません
でも隼さんが来てくれて嬉しいです、いや〜風邪ひいた時1人って凄い寂しいですね
喉痛いしロクに動けないし、あ
すみません今をお茶を入れますね気が付かないで」



今までの寂しさもあり、話し出すと止まらなくなった。
痛みを忘れて起き上がろうとしたら隼さんに止められてしまった。



「あーもういいから!寝てろ!」

「何ですか隼さん大丈夫ですよ任せてください!」

「本当いいから!…はぁ。
風邪ひいて休んでるって聞いたから様子見に来たんだが…結構酷いな」

「えぇ?!心配してくれたんですか?ありがとうございます隼さん
嬉しいです隼さん」

「お前はとりあえず落ち着け…熱は、少しあるか?」



おでこに手をあてて熱を測る隼さん。
心配してくれる隼さんの優しさと、1人で居た寂しさに涙が出てきた。



「うぅ…隼さん、意外と優しいんですね」

「意外は余計だ…泣いてんの?!」



オロオロワタワタしている隼さんにティッシュを取ってもらい鼻をかんだ。



「鼻水かよ?!」

「隼さん…」

「今度は何だ?」

「この後お仕事あるんですか?」

「…いや、今日はもう終わりだけど」

「じゃあもう少し居てくださいお願いします!
寂しいんですよ辛いし」

「…分かったよ。…少し寝ろ、居てやるから」

「本当ですか?!目が覚めたら居なくなっちゃったりしません?!!
もし隼さんが居なかったら七代まで祟りますよ!」

「そこまで?!ちゃんといるから!病人は病人らしく寝とけ」

「は〜い…えへへ隼さんを独り占め」



独り占めは俺の方だな…。

濡らしたタオルを乗せてやりながら
亜加里の寝顔を眺めた。













2013/02/14











去年の12月から風邪をひいては治して、治してはまたひいて…を繰り返し
今は落ち着いてますが、何回ひいてんだよ?!
と、思いながら思いついたお話です。
隼さんが○村さんみたいなツッコミしかしてない…。












 
 
 



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